MINISFORUM MS-A2 レビュー メリット デメリットなどをまとめた情報。2025 年 6 月に発売の CPU に Ryzen 9 9955HX を搭載した 3 画面同時出力に対応する高性能なミニPC。
MINISFORUM MS-A2 レビュー
MINISFORUM MS-A2 は、2025年6月に発売されたハイエンドミニPCで、AMD Ryzen 9 9955HXを搭載し、3画面同時出力にも対応する高性能モデル。
小型ながらも強力なマルチスレッド性能と、2基の10GbE SFP+ポート、PCIeスロットによる拡張性を備えており、一般的なミニPCの枠を超えた 『 ミニワークステーション 』として注目されている。
圧倒的なCPUパワーとネットワーク機能を求めるパワーユーザーや、仮想化・サーバー構築を目的とするユーザーに最適な1台だ。一方で、冷却・騒音・GPU性能の低さといった面では注意が必要である。本記事では、MS-A2のメリット・デメリット、スペック、実機レビューから見える性能と使い勝手を詳しく解説する。
MINISFORUM MS-A2 レビューまとめ
メリット
- 非常に高いCPU性能:Ryzen 9 9955HX(または7945HX)搭載で、マルチスレッド性能はミニPCの中でもトップクラス。サーバーや仮想化用途に最適。
- 豊富な高速ネットワーク機能:10GbE SFP+ポートを2基、2.5G RJ45ポートを2基搭載。LAG構成で最大20Gbpsの帯域幅を確保可能。
- 優れた拡張性:最大4基のM.2 SSDスロットを備え、うち1つはU.2 SSD(最大15TB)に対応。さらにPCIe 4.0 x16スロット(x8動作)を搭載。
- 高いメンテナンス性:ツールレス構造で外装が外しやすく、内部アクセスが容易。
- 仮想化に強い構成:16コアすべてが同アーキテクチャ(Zen 4)で統一されており、仮想環境でも安定した性能を発揮。
- OS付きモデルはWindows 11 Proを標準搭載(ベアボーンはOS非搭載)。
デメリット
- GPU性能が低い:内蔵GPUのRadeon 610Mは軽作業向け。ゲームや本格的な動画編集には非対応。
- 高負荷時の騒音:ファンが高速回転し、動作音が大きくなる。静音性を求める用途では注意が必要。
- 発熱とサーマルスロットリング:高負荷時には一時的に性能が抑制される傾向がある。追加冷却で改善可能。
- ACアダプタが大きい(240W)。持ち運びにはやや不便。
- Wi-Fi 6E対応に不安定さがあり、一部で6GHz帯を認識しない例が報告されている。
- 筐体がやや厚く、ラックマウントには不向きとの指摘もある。
スペック・仕様
- CPU:AMD Ryzen 9 9955HX(16コア/32スレッド、最大5.4GHz)または Ryzen 9 7945HX
- GPU:AMD Radeon 610M
- メモリ:SO-DIMM DDR5-5600MHz(最大96GB)
- 内蔵ストレージ:M.2 2280 PCIe 4.0 x1
- ストレージ拡張:M.2 2280/U.2 PCIe 4.0 x1(最大15TB)、M.2 2280/22110 NVMe/SATA x2
- 拡張スロット:PCIe 4.0 x16(x8動作、ハーフハイト/ハーフレングス/シングルスロット)
- LAN:2 x 10G SFP+、2 x 2.5G RJ45
- Wi-Fi / Bluetooth:Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2
- 映像出力:HDMI 2.1 ×1、USB Type-C(Alt DP 2.0対応)×2
- 前面ポート:3.5mmジャック、USB 3.2 Gen1 ×2、USB 2.0 ×1
- 背面ポート:USB 3.2 Gen2 Type-C ×2、USB 3.2 Gen2 Type-A ×1、USB 3.2 Gen1 Type-A ×1
- OS:Windows 11 Pro(ベアボーン版はOS非搭載)
- サイズ:196 × 189 × 48 mm
実機レビューのポイント
- 筐体は金属製で高級感があり、コンパクトながら堅牢な構造。mini-ITX相当の基板サイズ。
- 背面スイッチ操作でマザーボードを引き出せる構造。内部メンテナンスが容易。
- 冷却性能は高いが、ファン音が気になる場面もある。USBファン追加でスコア向上報告あり。
- 前面のUSB 2.0はワイヤレスドングルの干渉を避ける設計。Type-CはAlt DP対応で3画面出力可能。
- ストレージ性能は高く、大容量データ処理でも安定。ランダム書き込み時に若干の低下あり。
- PCIeスロットにロープロファイルGPU(例:Radeon RX6400)を増設した動作報告あり。
おすすめユーザー
- ホームサーバー・自作サーバー構築ユーザー
- 仮想化環境を運用するエンジニアや開発者
- 高速ネットワーク(10GbE)を活用するユーザー
- PCIe拡張カードを使用したいパワーユーザー
よくある質問
- Q: ゲームに使えるか?
- A: 内蔵GPUが非力なため、重いゲームには不向き。別途dGPUを追加できるが、用途としてはサーバー向き。
- Q: サーバー用途のメリットは?
- A: 10GbEポート2基、複数のストレージスロット、16コアCPUにより高性能なNASや仮想化ホストに最適。
- Q: 騒音はどの程度?
- A: 高負荷時はファン音が大きい。設定や冷却強化で軽減可能。
- Q: 拡張スロットで使えるカードは?
- A: PCIe 4.0 x16スロット(x8動作)対応のロープロファイル拡張カード。GPUや追加ネットワークカードなどが利用できる。

